
この真っ白な場所に訪れるまでのわたしは、、、
冬が、、、雪が、、、、
こんなにも「あたたかい」ということを知らなかった。
セドナで出逢った自転車冒険家はこう言っていた。
「コロラドの美しさは別格。アメリカで一番印象に残ってる」
インドで出逢った年配の旅人はこう言ってくれた。
「もしコロラドに行くならボルダーに行ってみて」
そんな偉大な旅人達の助言以外に、わたしはコロラドに来る理由をもう一つちゃんと持っていた。
それは、今回の旅の目的はアメリカ横断だということだ。
メキシコから南米に下って新しい国に足跡を残していく旅も捨てがたかったが、一度決めたら何がなんでもやり遂げなきゃ気が済まない性格だということをようやく思い出した。
ということで、もう一度アメリカに戻ることにした私は、メキシコシティから出ていた直行便でデンバーに飛んできた。
デンバー国際空港は、世界の空港人気ランキングで10位に入るほど巨大で面白い空港だそうだ。

なんでも秘密結社イルミナティの基地や仕掛けが空港内にたくさん設置されていて、それが公に宣伝されていたりもする。
空港内にある絵や銅像なんかも意味深すぎると有名だけど、決していい雰囲気の絵ではないので、わたしが撮影したのはこれだけ。
さてさて、ターミナルに出るとウィンタースポーツを楽しみに来たんだろうなって感じの旅行者で溢れていました。
ここから私が向かう場所は、今日からお泊まりさせてくれるホストさんが住んでいる、Boulder(ボルダー)という街だ。
空港から出ているバス一本で行けるんだけど、なぜかめっちゃ空いててびっくり。
ボルダー行きのバスの中は、わたしを含めて3人しかいなかった。

ターミナルに大勢いた人たちはみんなどこに行くんだろう?レンタカー移動なのかな?
快適なバスに約1時間乗って移動する中で、わたしはもうコロラドに恋をし始めていた。
窓越しに通過していく壮大な雪景色と日差しが本当に優しいのだ。
1月でも昼間は半袖で過ごせたほど温かったメキシコからやってきたギャップもあるかもしれないけど、バスが停車してボルダーの土地に初めて立った瞬間も、はっきり恋をしていると感じた。
ボルダーの停留所から、ホストさんが住むアパートまでUberで移動する。
今日からわたしを泊めてくれるホストさんはね、その優しさがメールの文章から逐一伝わってくるような温かい人だった。
文章に書いてくれる英単語の使い方が本当にいつもいつも美しいのだ。
だから逢うのがめちゃくちゃ楽しみだった。
そして、いよいよ初対面の時。
近くまで愛犬と一緒に迎えにきてくれたこの人の名前はベン!

中国系アメリカンのベンは、わたしより少し年下の男性。
同じアジア人の血が入っているという事もあって、わたしたちは超自然にお互いを心に迎え入れることができた気がした。
ベンのことは、またゆっくり紹介していくんだけど、もう一人紹介したい子がいるの!
ベン
「うち大型犬がいるんだけど、愛は犬は大丈夫?」
愛
「もちろん!大好きだよ!!!」
事前にワンちゃんがいることも知っていて逢えるのが超楽しみだったんだ!
はい!ベンの愛犬「キャスパー」です!
名前と見た目がぴったりでしょ♡
キャスパーはね、「本当に犬?」っていうぐらい全く吠えなくて、人間が大好きなの。
わたしを初めて見たときも全然吠えず、ただ素で尻尾をフリフリして迎えてくれるだけだった。
愛
「キャスパーは何歳?(・∀・)」
ベン
「う〜ん、実はよくわからないんだけど、多分7歳ぐらいじゃないかって聞いたよ」
愛
「え?どうゆうこと?」
ベン
「キャスパーは保護犬なんだ。出会ったときは常にもう大きかった」
愛
「ベンはキャスパーを助けたの?」
ベン
「いわゆるボランティアってやつかな。そうゆう施設団体があるんだ」
愛
「でもそれって簡単にできることじゃないよ!一生この子の命を預かるんだから」
ベン
「Yeah!そうだね。おかげでどこにも行けないよ(笑)」
愛
「でもキャスパーって本当に人間みたい!全然グズグズ言わないし、お利口さん。ベンがしつけたの?」
ベン
「キャスパーは来たときからこうなんだ。ほんとに素晴らしい犬だよ」
愛
「キャスパーってゆう名前はベンがつけたの?あのおばけのキャスパーだよね?(・∀・)」
ベン
「ああ、なんとなくね(笑)」
愛
「でも、その施設からなぜキャスパーを選んだの?大型犬って世話するの特に大変だし」
ベン
「はははは」
キャスパーが僕を選んだんだよ。
それは、この人をホストさんに選んで本当に良かったと確信した、心温まる瞬間だった。
ベン
「愛は、なんでホストに僕を選んだの?」
愛
「犬を飼ってるから!犬を飼っている人に悪い人は絶対いない!これは私の哲学だよ!」
ベン
「おもしろいね!愛はいつも犬を飼ってる人を選んで泊まらせてもらうのかい?」
愛
「うん!でも、優先的にそう探してるだけで毎回見つけられるわけじゃない」
ベン
「じゃあ、僕がもしキャスパーを飼ってなかったら来なかった?笑)」
愛
「え〜!!!」
こんな困る質問もされながら、心温かく知的なベンとの会話を滞在中いつも楽しんだ。
ベンのお家は本当に素敵な空間で、借りている部屋の窓からはいつもこんな美しい景色が見えた。
こんな素敵な街にいて、一体誰がボルダーに恋をしないでいられるというの?
(つづく)