セドナを離れる日は、私の30回目の誕生日だった。
おめでとう、自分。
誕生日にセドナを離れるとゆう微妙なスケジュールになったけど、それを決めたのは他の誰でもない自分だった。
ここに住みたいと毎日思ったくらいセドナが好きです。
もし私が「もっとここにいたい」と言えば、パトリックはずっと家に泊めてくれるような気もした。
「お金持ちの犬の散歩の仕事があるよ」と教えてくれる人もいた。
パトリックが採掘しているパワーストーンのことを勉強して、グローバルに通販を始めてもおもしろそうとか、セドナに関わる人生をふっと考えた時もあった。
だけど、私はまだ見ぬセカイを見るために次へ進む。
若い頃から憧れた聖地セドナで過ごすことのできた掛け替えのない一日一日は想像以上に美しすぎて、今でも心の中で映画のメインシーンのように目映く、特別な状態で輝いている。
このブログでもその深い記憶を偽りなく丁寧に文字に書き留めることができたと思ってる。
ここセドナで繋がった、たくさんの縁が今の私を活かしていると日々感じる。
恩人でもあるパトリックは、私がセドナとお別れした後も何度か「戻っておいで」と連絡をくれた。
無償で宿泊させてもらい、なにもかもお世話になりっぱなしだったにも関わらず、彼の方からそんな言葉をかけてくれる事が感無量で仕方ない。
何度でも言いたい、パトリック本当にありがとう。
だけど実はね、、、
私はセドナに戻りたいとは思わないんだ。
セドナは大好き、本当だよ。
パトリックにもまた会いたい。
ジェフリーにも、マイクにも、ハリソンにも、かわいい狼のジャイにも、きゃんきゃん吠えまくるピューイにも。
そして、あのセドナの絶景やパトリックのPeacefulなお家にも。
でも、それは今じゃないんだ。
今はね、戻りたいと思わない。
もし今セドナに戻っても、私はきっと何も感じないと思う。
この記事のタイトルでもある「I didn’t choose you, my heart did」は「私じゃなくて心があなたを選んだ」ってゆう意味なんだけど、まさにそんな感じ。
またきっと将来、私の心が心の底からセドナを求め導かれるときが来るまで、、、
それまでは、記憶の中でセドナのあの神秘的な瞬間にいつも帰らせてね。
さぁ!こんな気持ちを抱えながらも、ついにセドナとお別れの日がやってきました。
セドナを離れる数時間前、本当にお世話になったパトリックに何かできることはないかと考えた。
でも現金を払う以外のことで何かを返したいと思ったときに、パトリックが採掘した天然石でアンクレットを作ってほしいとお願いし、売上げに少しだけ貢献させてもらった。
あとは、アイデと一緒にパトリックが普段使えそうなオーガニック食材や日用品を買って冷蔵庫を満タンにしておいた。
でもパトリックは、私達が買ってきたココナッツオイルを使って、カカオの匂いがする特製ボディオイルを作って瓶に入れ、旅で傷んだ肌をケアするためにと私に持たせてくれた。
瓶入りのずっしりした手作りオイルは荷物が重たくなったけれど、わたしはこれから数ヶ月続く旅の中で、なくなるまでちゃんと大切に使い続けた。
彼がわざわざ作ってくれたことが、どんなブランドのどんな化粧品より効果があると思えた。
そして最後に、パトリックが作ってくれた天然石のアンクレットを付けて、送迎車が来るまでセドナの大地に別れの挨拶をしに行った。
大好きになった景色の前に座って、寝転んだりもして、ゆっくりゆっくり思い浮かぶだけ色んなことを想い、心を震わせた。
ちなみに、パトリックが作ってくれたアンクレットは正直私の好みではなかった。
だけど、パトリックに「どう?好き?」と聞かれたとき、わたしは「うん!」とはっきり嘘をついた。
理由はわからないけど自分の願望をもう細かく伝えようとは思わなかった。
パトリックが選んで作ってくれたのならそれで良かった。
私はパトリックに僅かだったけどアンクレットの代金を渡した。
大きく感謝を込めながら。
いよいよお別れの時が来た。
パトリックの家によく遊びに来ていたハリソンにキャンピングカーから「愛!」と呼ばれたので車に向かうと、ハリソンが作ったセドナのオリジナルTシャツが色々並んでいた。
ハリソン
「持って行け!どの色がいい?」
愛
「ブルー!」
即答する私に「OK!愛はMサイズだな」となんでもお見通しの優しい言葉と一緒に、Tシャツをプレゼントしてもらった。
ケンタッキーのカーネルサンダースみたいなハリソン、彼とももっと色んな話がしたかったな。
ついに送迎車がやってくる数分前。
パトリックが座るソファに本当に最後のお別れの挨拶をしにいった。
パトリックがきつく抱きしめながら言ってくれた言葉のせいで思わず涙が溢れ出てしまい、私はまた感謝の言葉を上手に伝えられなかった気がする。
でもきっとパトリックは、私の表情や心から全てを理解してくれていると思う。
「愛はラスベガスと合わないよ、嫌になったらいつでも戻っておいで」
別れのハグが終わって、パトリックに言われた言葉に私は微笑みだけを返した。
そしてパトリックはまた私にクリスタルの天然石をプレゼントしてくれた。
初めて会った日にもらった土のついたクリスタルと、今日改めてもらったクリスタルをカップルにして、わたしはこの淡く美しいピンク色をした子達をこれからずっとお守りにして生きていくと決めた。
もちろん今も毎日大切にそばに持っている。
この小さな子達をポケットの中で感じるたび、安堵の愛おしさがこみ上げてくる。
本当にいろんな感情を与えてくれたセドナだった。
「ありがとう」よりも強い「ありがとう以外の言葉」を今、世界が新しく作ってくれたら、私はその言葉をすぐに覚えて書いて模様を付けてあなたに届けたい。
アメリカ横断二都市目でこんなにも素晴らしいホストさんとその友人達に出逢い、想像のはるか彼方とゆうぐらいの経験をした。
もう既に長く旅をしているような感覚にさえなったが、まだこの旅を初めて二週間しか経っていない。
次は、ラスベガスに行く。
その前に最後の最後にもう一度言わせて?
セドナの大地、空気、自然、出逢ってくれた人、動物、すべてに。
本当に心から感謝を込めて、ありがとう。
(つづく)