お金を払って得るものは「旅」じゃない

ベンが休みの週末は、2人でボルダーの街をサイクリングへ。(キャスパーはお留守番です)

アメリカには街のところどころにレンタルサイクルの無人機があるので、簡単に自転車を借りられるの。

しかも、返却は借りた場所以外でも大丈夫だから、街で借りて→家の近くに返却するという便利なこともできちゃう。

お値段は確か、$7ぐらいだったかな。

話変わって、都会育ちのわたしはなぜか「雪が空から降ってくる」という現象がたまらなく好きなんだけど、コロラドに到着してからまだ雪が降るところは一度も見ていない。

今ある雪は、わたしがここに来る前に積もった雪で、それもどんどん溶けてきてなんだか寂しい。


「ボルダーにいる間に、雪が降るところ絶対見たいのに!」

ベン
「最近は気温も穏やかで雨と晴日が続いてるからどうだろうね〜」

そう、週間天気予報を見てもずっと雪のマークはなかった。

二人でボルダーの透明な街をサイクリングをしながら、ベンが最初に連れてきてくれたのはパールストリートモール(Pearl Street Mall)というところ。

一見、なんの変哲もない静かな通りだと思うでしょ?

でもここは、ボルダーでは有名なショッピングストリートなのです!

立ち並んでいるお店が可愛いのなんのって!!

お店の中に入っちゃったらもうやばいよ!ノックアウト!特に女子は要注意!

今すぐ買い物に全財産費やして、一瞬ここで旅終えたくなったもん(女の本能)


きゅいぃぃ〜ん!超メルヘン!(இдஇ) おとぎ話の世界じゃん!

こんな可愛い雑貨を見て、ちゃんとキュンキュンできるなんて久しぶりの感覚だったよ!

わたしにも女の感性がまだ残ってたんだな(笑)

ボルダーに訪れたら、パールストリートモールは是非行ってみてくださいな!(・∀・)

そうそう、あのね。

パールストリートモールにある一軒の雑貨屋さんに、たまたまベンの友達が働いてたんだけど、、、

私のことを「僕の友達の愛だよ」ってふつうに紹介してくれたの。

「日本から来てる旅人」とか「数日ホストしてるんだ」とかじゃなく、あっさり「友達」と紹介してくれたのを真横で聞いて、すごく心が温かくなっちゃった。

帰宅後のおうちご飯は手作りピザだったよ〜!

前から「一緒にピザ作ろうよ!」って言ってて、「休みの日にね♪」って言われてたから、すごく楽しみにしてた二人のプチ家庭内行事(笑)

でも、相変わらずベンがさくさく作ってくれるので、私の仕事はチーズを擦ってパッパってかけるだけ(笑)

結婚するなら絶対ベンみたいな男性がいいよね。

脳みそも賢いけどちゃんと思いやりがあって。
お互いの話をゆっくり聞き合うことができて。
家庭的で健康的で活動的で動物好きで愛情がある。
優しくって、温かくて、ユーモアもある。

あ!誤解しないでね!

ベンはちゃんと彼女さんいるから!(・∀・)

わたしみたいな旅人をこうやって家に受け入れてのも彼女さんはちゃんと知ってる♪

今回は大学の研修かなんかで遠くに行ってるから逢えなかったんだけど、2人は毎晩電話してラブラブだったよ♡

お部屋を借してもらって、ご飯までご馳走になって、貴重な休日を一緒に過ごしてって、こんなに「与えられてばかりいる」わたしが、今ここでベンに対してできることは、わたしがこれまでの歩んできた旅の経験をぜんぶ話すこと。

もちろん、相手が興味のある範囲でね。

そして、与えられたものをただ精一杯の感謝で受け取ることと、全力の笑顔と態度で正直に気持ちを表現し会話すること。

他の旅人さんはどうやってるのかしらないけど、私にはそれしかできない。

そうやって、それだけでここまで一人で旅を続けてきた。

これが正解なのかはわからないけど、悪いようになることは一度もなかった。

日本人って、「与えられるばかりは居心地悪い」って感じてしまう遠慮がどの国の人よりも強いと思う。

だから、人間関係の間に「お金」や「物」を挟んで、楽に渡ろうとする方法をほとんどの人が選んでいる気がする。

お金を払っているんだから選択肢をくれよ

私は以前あなたにソレを与えたんだから、あなたが与えてくれるものだって遠慮なく受け取るわ

っていう関係性が多い気がする。

わたしも人間だから、やっぱり心が疲れてるときはそうしたいときもある。

心を開いて歩む余裕がないときは、お金というツールを使って一人で気ままに過ごせる場所を探すことだってある。

旅路の中では、お金を払って得られる娯楽も休息もいっぱいあるしね。

でもそればっかりしている旅は、きっと「旅」とは言えないと思うんだ。

お金を使って作る関係や思い出、自由とは反対の条件付きで得たものは、色んな意味で簡易すぎて失われるのも早いと思う。

ベンと過ごす無償のあたたかみを感じながら。

自分の旅がこれからも無条件に明け渡された心の状態のまま続けられることを、今この街で強く願っている。

(つづく)