
とったびでお馴染み「こんちゃん」の存在は、ブログ村のランキングに参加していた頃に知った。
どんなにブログ更新を頑張っても4位までしかいけなかった自分に比べ、こんちゃんのブログはいつも1位や2位を行ったり来たり。
そこには、おもしろい旅の体験談だけじゃなく、言葉を失うほど美しい写真が一緒にいつもアップされていて、私だけじゃなく、たくさんの人の心を震撼させた。
こんちゃんのブログを過去から全部遡って読む時間はなかなか取れなかったけど、途中から読みはじめただけでも十分な刺激を受けたし、その刺激は良くも悪くも色んな面から私の心に突き刺さってきた。
こんな素敵な旅人(写真家)に勝てるわけない。
ブログから伝わってくるこんちゃんの素敵な人間性を想像しては、自分と比較して自己嫌悪になったりもした。
「世界中の笑顔を撮る」という断固としたテーマを掲げ、富士フイルムをスポンサーに付けながら貧乏旅をするこんちゃんがどんどん夢を叶えていく姿を追いかけて感動もしたけど、同じぐらい嫉妬や焦りに近い感情も出てきて多少なりとも落ちた。
ただ純粋に「旅が好き」というだけでいいはずなのに、ランキングシステムというのはあまりにも滑稽だ。
実は、わたしはあまり他人の旅ブログを見るのが好きじゃない。
自分が旅人になる前は、毎日時間があれば色んな旅人のブログを寝る前まで読んでいたのに、自分が旅をするようになってからは一才見なくなってしまった。
その理由は他人の旅のスタイルと自分を比較したくないからというところもあるし、自分自身の旅を通して多くの経験をしたことで、面白さの固定概念みたいなものができあがってしまったからだと思う。
固定概念というのは、刺激や感動のハードルが上がってしまったと例えればいいのかな。
いわゆる「普通の旅」や「長期観光旅行」みたいな旅ブログに、まったく面白みを持てなくなったのだ。
こんなこと言うと反感を買うだろうし、お前が言うなよって言われたら何も言えないけど、「ぬるっ」って思う旅ブログに年々興味がなくなっていった。
そんなわたしが、こんちゃんの旅に惹かれた理由は、もちろん誰もがご存知のずば抜けた写真の才能も大きな理由。
カメラを熟知している人
雰囲気のある写真を撮れる人
撮影後の加工が上手な人
人間の数だけ「上手さ」の種類があるし、この10年余りにカメラ業界は著しく進化し、それなりに良いカメラを持てば誰でも良い写真が撮れるような時代になった。
特に、世界一周なんて出かけた暁には、もう被写体のパレードだ。
街を歩けばカラフルが押し寄せ、街から抜ければ大自然に出逢い、運が良ければ野生動物に出逢うことだってある。
世界中の誰もがクリエイターになれる現代に、いわゆる「普通に綺麗な写真」は溢れんばかりに存在するが、そんな飽和状態の中でも、こんちゃんの写真だけは私にとって超越していたどころの騒ぎじゃなかった。
こんちゃんが撮る「笑顔」は生命力そのものだった。
わたしも写真を撮るのが好きだからよくわかるのだが、出逢ったばかりの人達からこんな最高の笑顔を引き出すことは難しくはないけど、決して簡単ではないのだ。
「自分が笑顔で臆することなく相手に接すれば、相手もそれを感じとって笑顔を返してくれる」
わたしは今までそう思って旅をしながらカメラを握ってきたけど、それは意外と独りよがりな考えだと、こんちゃんの笑顔の写真を見て気が付いた。
こんちゃんの写真は、こんちゃんという嘘偽りなく明るい人間性が引き寄せているのだと。
だから、こんちゃんにめちゃくちゃ逢ってみたくなった。
逢って、どんな人なのか、頭じゃない心で感じてみたいと思った。
こんちゃんの旅に惹かれた理由はもう1つある。
それは、バスキングという旅先の路上でお金を稼ぐスタイルに感動したってこと。
こんちゃんは、朝起きるとスタバに行って一番安いコーヒーを注文しながら毎日ブログを更新し、安いご飯を食べて、世界中で撮影した写真をプリントして、人通りの多い場所で夜まで路上販売し、疲れて寝袋にくるまって公園で寝るという貧乏生活を繰り返しながら、次の目的地へ行くためのお金を貯めていた。。。
この街ではどんな写真が人気なのかを日々考察し、陳列を工夫したり、プリントする枚数を調節したり、商売のために最低限の現地の言葉を覚えたり、、、
試行錯誤の連続を乗り越える彼のガッツと、どんなことがあっても笑顔を絶やさない精神力に心を打たれたのは言うまでもない。
こんちゃんのこのガッツを見るたび、自分の旅の「ぬるさ」が際立った感覚もちゃんと覚えてる。
これ以上自分の「ぬるさ」なんて感じたくないし、もう比較したくない。
でも、こんちゃんに逢いたい。
よし。やっぱり逢いに行こう。
世界一周を終えて、クラウドファンディングで資金を調達して写真展を開くこんちゃんに逢いに行くその瞬間まで、心の中には「自己嫌悪とドキドキ」の葛藤がぐるぐる追いかけあっていた。
こんちゃんに逢ってしまうと、自分がどんな気持ちを感じてしまうのか想像できなくて怖くもあった。
こんちゃんの「笑顔写真展」当日
会場20分前に来たのにもう列ができているという人気ぶり。
っと、並んでいるとまさかの、歯磨き中のこんちゃんを発見!!!
路地の隙間から憧れの人を見つけて、思わず叫んでしまうわたし。
歯磨きこんちゃんに遭遇すると、今まで持っていた緊張はなんだったんだっていうぐらい解れた。
だけど、ギャラリーが会場すると緊張はまたすぐに戻ってきた。
平日の昼間なのにたくさんの人で溢れている。
週末に開催された写真展で長蛇の列ができてしまったこともあり、こんちゃんと話せる時間は一人当たり2分のみ。
長蛇の列に並び数十分、、、
いよいよこんちゃんとお話できる瞬間が来た!!!
いいんですかもなにも、超嬉しかった(号泣)

と、わけのわからぬことを思い切って言ったところで、涙がいきなり溢れてきて止まらなくなった。
なぜなのかわからない。ぜんぜんわかんない。
本当は、こんちゃんに聞きたいことを昨日の晩からいくつも考えてきた。
カメラのこと、モチベーションのこと、旅のこと、その明るい性格のこと。
いっぱいいっぱい聞きたいことはあった。
でも、こんちゃんと目があったらもう何もうまく言えなくて、そしたら泣いてた。
でもどこも痛くなかったから、悲しいとかしんどいっていう気持ちで泣いたんじゃない。
ただ「強く夢を持ち続けて思いっきり行動して夢を叶えた人」が目の前に立っていたから、そのエネルギーに感極まって泣いてしまったんだと思う。
でも、こんちゃんの大切な「笑顔の写真展」で泣いてる写真なんて撮りたくないから、笑ってる写真も撮ってください!と撮り直してもらった(泣笑)
こんちゃん、めんどくさい奴で本当にすみませんでしたm(_ _)m
大人気のこんちゃんとゆっくり話すことはできなかったので、こんちゃんが持ってる「笑顔を引き出すポテンシャル」を探ることはできなかった。
だけど、こんちゃんが今まで歩んできた来た夢を掴むまでのパワーは、この写真展の作品と会場、そしてこんちゃん自身からひしひしと感じることができた。
こんちゃんに逢うと、もっと自分のダメな部分を浮き彫りにしてしまうんじゃないかと不安だったあのバカな気持ちも、感動で泣いて消えていた。
写真展の会場を出たあとも、この日は一日涙が止まらなかった。
でも、その度にお腹の奥底から昔感じていたあの底知れない純粋なパワーが蘇ってくる気配を感じた。
その純粋なパワーというのは「できないことなんて何もない」というあのパワーだ。
数年前、日本中の路上で写真を売っていた大学生が、写真とブログを通してここまで成長しました。
やろうと思えばなんだってできるってこと、僕自身の人生を通してこれからも伝えていきます。
そして何より、応援してくださるみなさんのお陰で今の自分がいます。
みなさん本当にありがとうございます!!
やっぱり、夢を叶えている人は本当にすごい。
夢を叶えている人は、人に夢を与えられる人でもある。
こんちゃんを通じてよく理解できた。
私もまだまだ行動するよ。
そして、自分のやりたいことをやるよ、絶対。
こんちゃんは、また世界への旅に出るのかな。
そう願って、旅人あるあるのあの言葉で〆ちゃおう!
こんちゃん!今後は地球のどこかで逢いましょう!(逢ってください)
↓こんちゃんの旅の書籍です。
(おわり)