
翌朝。
ホコリっぽさが残るソファと毛布にくるまりながら、目が覚めた。
目を開けると、アメリカン・ピット・ブル・テリアのコナー♂が、まさに今から私の顔をベロリと舐めようとせまってきていた。

せまりくるコナー
まだ2歳のコナーは本当にヤンチャ盛りで、とにかく24時間遊んでほしくてたまらない。
そして、人間や動物関係なく、動く物に何にでも興味を持つ。
その興味の対象が、どうやら昨晩から私になったようだ(笑)

ベロリをねらってくるコナー(笑)
超フレンドリーですごく良い子なんだけど、ヨダレがすごいから、一度ベロリされちゃうと着替えなきゃいけない(笑)
ジミーは、笑けるぐらい対象的な2匹の犬を飼っている。
左側の小さな犬がチワワのパコ♀。
もうおばぁさんに近い年齢なので、家の中でゆっくりするのが日課。
外は寒いから余計だろうね。
それなのに、コナーが終始パコを追いかけるもんだから、パコは牙を剥いて本気でコナーに怒ってる(笑)
パコが牙を向けると、その数倍の体格をもつコナーはクーンと諦めてどっかに行ってしまう。
動物の上下関係っておもしろすぎる。
そんなパコとコナーが家の中でお留守番しているときは、こうしてよく窓から外のセカイを見ていた。
目線の先に飼い主のジミーがいるときはジッと見守るだけだったが、それ以外の来客があったときは、ちゃんと吠えて知らせる賢い2人でもあった。
あれ?そういえば、ジミーが家の中にいない。
外でなんか作業してるのかなと思って玄関のドアを開けると、ものすごい太陽光線が私の視界を強く塞いだ。
あまりにも強烈な光で目を開けていられなかった私は、サングラスをかけてからもう一度ドアを開けて外に出た。
愛
「うそ・・・」
昨晩この家にやってきたときは、車のライトが照らせる範囲しか見えないほど真っ暗だったこともあり、、、
まさか、、、
家の前がこんな景色だなんて、1mmも想像していなかった。
目の前には、「白と青と光のセカイ」が広がっていた。
都会で育った私にとって、この視界いっぱいに広がる自然が生み出した雪景色は、もう眩しすぎた。
玄関を開けた瞬間、飛びこんできたこの景色を前に、強く深く感動したことを今でも本当によく覚える。
近くに馬がいることにも驚いた。この光景に馬って、北の国からでしか見たことないよ!
ジミーを探す前に、まずお馬さん達に挨拶しに行ったからね(笑)
愛
「初めまして!愛です!仲良くしたいだけです!お顔なでなでしてもいいですか?(・∀・)」
愛
「あなた達は兄弟なの?そっくりだね!」
愛
「ご飯が欲しいの?ごめん、わたしなんにも持ってなくて。。。
愛
「勝手にあげていいかわからないし、ジミーに聞いてくるね!」
ジミー発見!コナーも一緒だー!外に出してもらったんだね!
コナー嬉しそう〜♡
コナーには体力の限界とかないのかな?長距離走かってぐらいのエリアをひたすら走り回って雪遊びしている。
パコちゃまは、トイレだけ済ましたら、すぐに震えながら家の中へ帰っちゃう(笑)
愛
「ジミー!!!朝起きてびっくりした!昨日暗かったから全然わかんなかったけど、雪!雪景色!あの山脈も!すごいんだけど!雪がめっちゃ綺麗だね!いつ降ったの?!でね!そこに馬がいるの!触れるかなって思って近くに行ったら寄ってきてくれて、でもなんかご飯欲しそうだったんだけど、あげれるのかな?!!!あの馬たちは怖くない!?寒くないのかな?!大興奮!!!」
ジミー
(ニヤニヤ)
ジミー
「ほらな〜!コテーズはいいとこだって言っただろう?まだまだ好きになっていくさ!」
ジミー
「愛が来る前夜、ちょうど大雪が吹雪いたから新雪が綺麗だろう?家の裏のほうに行けば、もっと綺麗な雪が残ってるはずだ」
ジミー
「あと、あの馬は俺のじゃないから、勝手に(食べ物は)あげないほうがいいと思う」

だって;ごめんね;
愛
「あっ!これがもしかして水道!?たまに凍るんだよね!」
愛
「私、家まで水運ぶよ!」
昨晩やってきたときの衝撃や不安は、今朝この景色がくれた色に一瞬にして塗り替えられた。
白、青、そして光。
私が最も好きな色をもつこのセカイで、ジミーとコナーとパコと、そしてまだ家とは呼べない場所で。
これから、自分にできることをしながら過ごしていきます。
わくわく。アタラシイセカイ。
(つづく)