
残念なダイビングを終えて宿に帰ってきた。
シャワーを浴びた後ベッドに横になり、そのままウトウトしかけたのだが、突然聞こえてきたギターの音に気付き目が覚めた。
音は近く、どうやらこのホステルの中から鳴り響いているようだ。
横になっていた体を起こし、部屋を出て音が聞こえてくる場所へ行くと、フロントで働いている若いヒゲの兄ちゃんが仕事をサボってギターを弾いていた。
愛
「ギター弾けるの?私も弾きたい!」
もちろんギターの弾き方も知らなければ楽譜を読むこともできないのだが、私は昔から、YUIや阿部真央のようにギターと心だけで人々に感動を与えるソウルソングというものがとにかく好きで、その姿にけっこう憧れていた。
好きな歌をあげ出すとキリがないが、中でも好きな歌はYUIの「LAUGH AWAY」だ。
愛
「わたし全く弾けないんだけど、、、」
愛
「例えばこの歌を完璧に弾きたいと思ったらどれぐらいかかるかなぁ?」
YUIの中でも有名な「Good-bye Days」の動画を彼に見せながら尋ねる。
彼
「めちゃ練習して一ヶ月かなぁ」
やっぱりすぐに弾けるようにはならないか…と諦めモードに入る私。
彼
「これすっごくいい歌だね!」
なんと、彼は今まで弾いていた音楽をやめて突然私が見せた「Good-bye Days」を即興で弾き始めた。
愛
「すごい!楽譜がなくても弾けるの!?」
彼
「全部は無理かも、楽譜ある?」
私はすぐに楽譜をググって彼に見せる。
彼は一度聞いただけの原曲にあわせて、すいすいとギターを弾いてくれる。
そんな彼のギターの真横で自然に歌いたくなったわたし。
彼が真横で引いてくれるギターの音に歌詞をのせるのが本当に気持ち良くて、恥じらいなんかなく、心がふわふわ雲のようにわたしの唇を動かした。
そんな私たちの即席ライブを、遊びにきた彼の友人達が撮影までしてくれた。
ガムを噛んだままだし、自分でギターを弾いて歌ってるわけでもないけど、ギターと歌うとゆう密かな夢がこんなところで叶ってしまった!
彼の名前はフランキー、というのはワンピースのフランキーが大好きだからそう呼ぶようになった。
フランキーとアレックスそしてセンセイと私で、ゆるくおもしろ時間が流れた夜。


スペイン語と日本語を交換しあいながら、雑談して、歌う。
アレックスは大学で日本語を学んでいるので、私が教える変な日本語もサクサクと覚えてゆく。
ちなみにアレックスもフランキーも歌がすごく上手なのだ!
愛
「ビートルズのLet it be歌って!」
そうリクエストすると、おもろいコントになった(笑)
今日はダイビングで疲れただけの一日になるかと思ったら、まさか宿の中でこんな楽しい夜を過ごせるなんて。
旅って、いきなり何があるかわからないね。
素敵な時間をありがとう、みんな。
さぁ、明日はいよいよラパス最終日だ!
(つづく)