セドナ滞在6日目を迎えた。
この日は、待ちにまったあの人に逢える日。
日本を出発する前から、セドナに行ったらとにかくこの人にだけは絶対アポを取ろうと思っていた、NANAさん。
NANAさんはセドナではかなり有名なガイドさん。
まさに「ミラクル」の言葉にふさわしい経歴を持つ、聡明でちょっとお茶目な女性だ。
最近はコロナの影響でセドナに行けない人たちのために、Youtubeで「セドナ・バーチャルツアー」を配信されている。私もいくつか動画を見させてもらったが、涙が出るほど優しくて癒されるので是非。
ガイドの他にも色んな肩書きをもつNANAさんだが、そのひとつに写真家という背景がある。
最近は、ナショナルジオグラフィックやAdobeへの写真提供もさることながら、本の出版や魂のリーディングなど、本当に多方面多彩に美しい分野で活躍されている。
ちなみにNANAさんのお父様は世界で初めてカメラのシャッターを開発されたエンジニアで、一族揃ってミラクルなのだ(驚)
NANAさんのガイドは当日の参加人数で値段が変わるので、セドナでの滞在予定を伝えておくと、他のお客さん達と予定を合わせてみんながお得になるようにスケジュールを組んでくれる。
もちろん高くはなるけどプライベートツアーも大歓迎だ。芸能人もよくNANAさんのツアーをお忍びで利用している。
わたしは、昨日グランドサークルを一緒に周った織江さんと、マッサージの仕事をしながら世界をドープに旅している日本人のゆかさんの3人で参加することになった。
ふたりとも、しっかりしたお姉さんキャラで心地良い。
NANAさん曰く、私たちは全員無計画人間のあつまりだったそう(笑)
でもセドナに来たら自然とそうなると思う。
だってここは、時空を無視してゆっくり心のままに過ごす場所だと思うから。
さぁ、いよいよ楽しみにしていた本格的なセドナツアーに出掛けます!
今日はNANAさんのパートナーであるケニーも一緒に同行してくれました。
どんな景色があるんだろう!わくわくする。
まずはセドナを見渡せる展望台にのぼって、この街が「セドナ」と呼ばれるようになった歴史を教わりました。
「Sedona」は過去にこの土地に移住してきた女性の名前からとって付けられたらしい。
その女性の旦那さんが「ここに郵便局を作りたい!」と申請するとき、はじめに申請した郵便局の名前が長いからもっと短くしてくれ!と言われ「じゃあセドナ郵便局でどうだ!」ってなり「セドナ」とゆう名前が街に浸透していったとゆう・・・
そんな意味不明な由来でいいの?!パワースポットやのに!!?(゚Д゚;)
衝撃の事実をセドナの景色を眺めながら聞いてると、なんか平和でいいなぁとも思えた。
次は、車で移動して子宮の洞窟へ向かうためのハイキングウェイへ。
子宮の洞窟は英語でBirthing Cave(バースィングケイブ)という。
洞窟の中には人間ひとりがやっと座って入れるぐらいの小さな穴があり、そこに座って願ったことは叶うと言われているとても神秘的な場所。
過去にここに訪ねてきた人に、ずっと子宝に恵まれなかったご夫婦がいたのだが、この洞窟で願ったあと妊娠の報告がNANAさんの元へ届いたそうだ。
その子宮の洞窟へ足を踏み入れる前に、私が感謝の儀式と勝手に読んでいる小さなセレモニーがありました。
もういきなり書いてしまうけど、この儀式の最中、私は呼吸するぐらい自然にサングラスの中で涙を流していた。
こんなことは生まれて初めてだった。
ふつう、涙が流れるときは胸や心が多少なり痛くなるか目頭が熱くなるか、どちらにしても感情的な前触れもなく涙が流れることなんて今までなかったのに、気がつけば涙が頬をつたっていた。
それは太陽の光が毎日地球に届くように自然に。
数滴の涙の玉がスー…っと自分の頬を伝って唇まで落ちてきたのだ。
全ての状況を考えてみても、あまりにも前触れのなかった涙だったから、わたしはこのとき誰にも泣いたことは言わず自分の中に閉まっておいた。
でも後から聞くと、この儀式の瞬間に私と同じような状況になった人は結構いるみたいだ。
そんな感謝の儀式は、東西南北を指したこんなサークルの周りで行われる。
東に感謝。
西に感謝。
南に感謝。
北に感謝。
太陽に感謝。
空に感謝。
大地に感謝。
前に感謝。
後に感謝。
私の記憶が正しければこのような流れで静かに愛を込めて、この地球の森羅万象全てに感謝の巡礼をした。
感謝を心で想っているあいだ、NANAさんが儀式のために鳴らしたトライアングルの甲高い音が空気に馴染んでから、震えて消えた。
感覚が研ぎ澄まされる音だった。
やっぱりすごい。
思い出して書いている今もここで経験した事は込み上げてくるものが大きい。
でもこうして思い出すとともに、私はきっと常日頃の生活で当たり前の物への感謝を惰性に埋もれさせて忘れていたことに気付く。
すぐに「当たり前」への感謝を忘れてしまう、人間はなんて愚かな生き物なんだろう。
そしてひとりづつゆっくり巡礼を終えて、子宮の洞窟へと入っていく。
「願いが叶う」と言われる子宮の洞窟で今日自分は何を願うのか。
ここに来たら、その言葉と願いは舞い降りてくるだろうと思ってたから、願う前は頭も心も全く揺れなかった。
そんな私の願いは「わたしにしかできない使命を知り、それを生涯かけてやり遂げること」
普通でしょ?
なんとなく願いはひとつだけだと感じたから、このシンプルな願い以外は何も心に念じなかった。
みんながそれぞれに静かに願い終わり、時間が止まったかのようなこの冷んやりとした空間で好きなように動いては止まって、優しい大自然のベッドを見つけて渓谷の鼓動の中で少し昼寝した。
この場所が大好き。今日ここに出逢えて本当に嬉しい。
NANAさんが今日たくさんの叡智をシェアしてくれた中で鮮明に覚えていることがある。
にんじんの種を庭に撒いたら、毎日「にんじんが育つ」と疑わずに水をやるでしょう?
願いもそれと同じで「信じて疑わないこと」
にんじんの種から、まさかダイコンが育つなんて誰も疑わない。
だから願ったらそれが叶うと信じ続けること、それが一番大切なことなんだよ。
願いは信じ続けていれば叶う。
NANAさんはそう自信を持って教えてくれた。
きっとNANAさん自身も、そうやって何度も何度も人生にミラクルを起こしてきた人だから、言葉には安心感とパワーが宿る。
私たち人間は、大人になるにつれて忘れていく、そして不必要に難しくしていく。
一度信じたものをただ信じ抜く力。
好きになったものを純粋に愛でるまっすぐな力。
年月を重ねる度に移ろいゆく人間社会の中で、例え段々と周りに置いてけぼりにされることを感じたとしても、私はこれからもずっと「信じることを貫き通す人生」を生きて行きたい。
今日この日のことを思い出しながら書けて良かった、ありがとう。
(つづく)