最近の冬空のカラーは、なんだか北欧の空に似ている。
北欧は日照時間が少ないので、毎日ウエハースに挟まれたクリームのように生活をしていた感覚がある。
南国のパリピ感も、アジアの密集した暑苦しさもない北欧諸国は、カップラーメンすら音を立てて食べられない丁寧な国だった。
3ヶ月間アメリカ大陸を心のままに横断したあと、どうしても日本にそのまま帰る気になれなかった。
そこで、首都ワシントンから北欧の島国アイスランドへの格安航空券を見つけた瞬間に、ひとっ飛び。
当時のわたしにとっては、アメリカから日本へ帰国する前の「寄り道」に過ぎなかった。
でも、その「寄り道」があったからこそ、今日のこの空を見て、良き哀愁に心を震わすことができてるんだよなぁ。
ちなみに、大阪市内の空です。
思えば、わたしは本当に不器用で、だからこそ「寄り道の多い人生」を歩んでこれた。
好きなものを見つけるのも時間がかかったし、
心のままに生きられるまでも相当遠回りした。
「成功と移動距離は比例する」ってどこかの偉い人が言ってたのがよくわかる。
わたしは成功とか権力とかに興味ないけど、人生というキャンパスにぬり絵やお絵描きをして楽しみたい。
今日の空を見上げて、
アイスランドへの寄り道を思い出して、
たくさんしてきた寄り道を思い出して、
ふっと悟った。
悔いのない人生とは、どれだけたくさん寄り道するかということに尽きる。
魂の入れ物である人生という体の細胞と五感を大いに使って、もっといっぱい無心で寄り道すべきなんだ。
椅子に座って、モニターから流れてくるものを受け止めて生きる人生には「悔い」しか残らない。
2024年は、もっともっといっぱいアホみたいな寄り道を楽しんでいこうと優しく思える。
移動距離にしんどいを付けず、子連れ移動にめんどくさいを添えず。
壮大な寄り道を。
(おわり)