小さなモヤモヤのはじまり

フロリダ3日目の朝。

今日は早速、キーウエストに行くことになった。

車でも往復8時間かかる遠出なので、朝早くに起きて身支度をしているとき。

ミジがバスルームから出たあと、私も洗面台を使うために入ったそこで、どうしても気になることを見つけてしまい、出発前ではあったが自分目線のモラルを軽くミジにぶつけた。


「ミジ、ここは人の家なんだから使い終わったらちゃんと綺麗にしなよ?」

私達が泊まっているのはホテルではなく、スティーブの自宅だ。

お金を払わず、彼の無性のホスピタリティで泊めさせてもらってる。

綺麗に使うのは当たり前の行為だと思うし、なんなら来た時よりも綺麗にしておくべきだとゆうのが私の考えだった。

ミジ
「最初から汚かったよ?」

でもミジの意見はこうだった。

なんの躊躇も考えもなく、真顔で私にそう答えた。

スティーブの家には三ヶ所のバスルームがある。

このバスルームを使っているのは他のシェアメイトも含めて、基本的に私達だけだった。

私は、これが生まれ育った国の文化と習慣の違いなのかな、と思い、それ以上は何も言わず、乱れていた洗面台を拭いて軽く掃除した。

そんなことはお構いなく彼女はすぐに私にこう言った。

ミジ
「ねぇ、ヘアゴムもうないですか?」

お団子ヘアを作りながらそう私に聞く。


「昨日あげたでしょ?」

昨日初めて出逢って一緒に遊びに出かける前、ミジにヘアゴムとビーサンを持ってないかと尋ねられたので、二つとも貸してあげていた。

ビーサンはこれから行く先々で絶対に必要なものだから買ったほうがいいよと言っても、今日も私のビーサンをちゃっかり履いてキーウェストに行くみたいだ。

私だって旅人だ、必要最低限の荷物しか持ってない。

ビーサンの予備もなければ、ヘアゴムだって何個も予備があるわけじゃない。

わたしが普段履いている靴が防水だから、たまたま貸せただけだ。

ちょっと胸のあたりがモヤっとしたが、私はあんまり細かい駆け引きを考えたりするのは性格的に好まない。

とりあえず今貸せるものだったら普通に貸すし、割り勘の時もめんどくさい計算がいるなら少しぐらい多めに出してしまう性格だ。

何より、せっかく二人で楽しく旅を始めようとゆうときに、細かい事にとらわれてその場の良い雰囲気を壊してしまうのは気が引ける。

とにかく私はミジと楽しく旅ができればいい。

昨日の楽しさが、今日も明日も、これからもずっと続けばいい。

少し、心にモヤがかかった気がした早朝ではあったが、そんなの一時的に気にすることはあっても、ずっと気にしちゃいけないんだ!

とにかく楽しく、おもいっっっきり楽しむんだ!

私たちは二人とも国際免許を持っていたので、レンタカーを借りてキーウェストまで続くセブンマイルブリッジを爽快にドライブすることにした。

曇の多い空だったことと、期待が半端なく大きすぎたせいか、天国を想像していたセブンマイルブリッジへの感動は正直言うとあまりなかった。

車に乗ってると道路の壁が邪魔して、海の景色もあんまり見えなかったのが本当のところだ(泣)

でもドライブはやっぱり気持ちいい!ひたすらまっすぐ道だから運転も楽しい!

そんな感じで予定より早くキーウェストに到着し、まずは車を停めて街を散策した。

有名な小説家ヘミングウェイのお家に行ったり。

汽車ポッポが街を走ってたり。

イケメンなチャボがいたり(笑)

ミジのようにモデルポーズでキメてみたら目の前ゴミ箱だったり(※郵便ポストでした)

ジェットスキーに乗りたいなぁって思ったり。

わかりにくい説明でしたが、キーウェストは超素敵な場所です!笑)

でも、キーウエストに来たらやっぱりこれだよね!アメリカ最南端の夕陽。

そして、ここがフロリダ最西端ポイント。

またフォートローダーデールに帰らないといけないから短い滞在にはなったけど、キーウエストは本当に小さくて穏やかな時間の流れる場所だったよ!時間をかけて来る価値は大いにあった。

サンフランシスコから始まったこの旅も、もうフロリダまで辿り着いちゃったんだね。

ここから見える海の向こうはキューバ!次の目的地でもある。

さぁ!そろそろ帰らなきゃ。

バイバーイ夕陽!バイバーイキー!
最後の最後まで優しい太陽を見せてくれてありがとう!

(つづく)