メキシコで警察に捕まりました

ラパス2日目の朝。

朝早くから仕事に行くカーラにラパスの街まで送ってもらい、私はレンタカー屋さんに向かった。

今日はカボサンルーカスという場所へ行く。

この旅の途中に出逢った人にその場所のことを教えてもらい、その時見せてもらった写真が海好きな私の心を強く引きつけたからだ。


ちなみに私が見た写真では、もっとオレンジが強かった気もする。

まぁとにかくその絶景が頭に焼き付いてしまい、これは絶対見るしかない!とウルトラペーパードライバーの自分の尻に火がついた。

セドナでドライブした時とは打って変わって、メキシコでの運転はかなり危なくて適当とゆうことを短時間しか滞在していないはずのメキシコシティで既に目の当たりにしたので、今から始まる運転が少し恐怖でもある。

さらに私は免許を取得してから10年間一度もひとりで車に乗ったことがないとゆう、まさにペーパードライバーの鏡のような人間だ。

でも、何事もやってみないとといつまでもできないままだ。


「片道2時間、往復4時間、よし行けるな」


「ゆっくり走っても昼過ぎには着く」


「あの絶景を見つけて夕陽をちょっとだけ見て、夜は怖いからなるべく早くラパスに帰ってくる!」


「よしいける!」←単純


「レンタカーかしてくださ〜い!(・∀・)」

そんな感じで着々と手続きを済ませ、急な坂道に縦列駐車で止まってる車に案内され、スタッフさんともろもろの確認を一緒に行う。


「いざ行かん!」

ゆっ・・・・くり発信!でアクセルを踏みこむ。


「あれ?どした?」

車が動かない。


「え?なんでや?」

タイヤは回ってるし、ブオーンってエンジンも鳴ってる。


「う〜ん、これはもしかしてタイヤの調子が悪いのでは・・・?!」←単純

そう思った私は車から降りて坂道をくだり、もう一度レンタカー屋さんに入った。


「車が動かないよ!」

そう言う私に気付いたひとりのお姉さんが、車を見て一瞬で原因をつきとめる。

お姉さん
サイドブレーキがかかったままよ


「・・・・・・・・・」


「ペルドン(ごめんなさい)」

そんな感じで「ワタシイップンゴニシヌカモシレナイ(わたし1分後に死ぬかもしれない)」と呪文のように唱えながら慎重に運転をはじめた。

車で混雑したラパスの街を抜け、前に走っている車を尾行するように車線変更や曲がる角度をとにかく真似して走る。

そうして30分程走ったころ、辺りの景色がいっきに変わって「ここで写真を撮りたい!」と思わせるような絶景が何十回も出てくるようになった。

あいにく停まってばかりでは先に進めないので、停車してカメラを構えたのはこの一回だけ。

本当はもっと素晴らしい山々と海の景色が続くんだけど、お見せできず悔しい。

メキシコの象徴でもある大きなサボテンの向こうに海が見える。

ここまでくると運転も落ちつき、いろんなことを考えはじめるようになった。

私が今、異国のこんな場所でひとりで運転してる姿をお兄ちゃんが知ったら、どんな顔するだろうとか。

私の兄は、中学生の頃から夜中に父の車を勝手に走らせてヤンチャするほど車が好きだった。

そんな大好きなお兄ちゃんのことをたくさん考えながらメキシコの海沿を気持ちよく走る自分。

綺麗な景色を前方に楽しみ、好きな音楽をiPodから流してドライブを続けていると、いつのまにかまた車がいっぱいのガヤガヤした街並みに変わりはじめた。

順調にカボサンルーカスへの入り口(ロス・カボス)に入ったようだ。


「ここからはまた慎重に運転しないと!」

スマホのMAPに、今日の目的地であるエル アルコ デ カボ サン ルーカスを設定しゆっくり車を運転する。

広い道路からいつのまにか下校中の学生がたくさん歩く狭いローカル道に入っていく。

ナビはこの道をちゃんと示してくれているので、そのままゆっくりゆっくり車を進めて行く。

すると近くで救急車かパトカーのサイレンみたいな音が聞こえ始めた。

その音はどんどん近くなり、2台の白バイが突然私の目の前に停まり「車を停めろ」と手で合図をしてくる。

さっぱり状況の掴めないわたしの元に、バイクから降りてポリスマンのおっちゃんとおにいちゃんがやってきた。


「どうしたの?」

わたしは車の窓をあけて二人を見上げた。

英語が話せないポリスマン達がわたしに言いたいことはこうだった。

ポリスマン
「ここは進入禁止道路だ!あそこに標識がたってるだろ」

いや、わかるかいな!なんやねんオルトて!

いや、、、

でもよく見たらなんか「STOP」に見えてきた(泣)

うん、絶対そうや、ストップや、オルト=ストップや。

ポリスマン
「身分証を見せろ」

その後、ポリスマンは私の個人情報を調べ始めてこう言った。

ポリスマン
「罰金を払いに俺について署まで来い」


「え〜!!!いくら?署には行きたくない!」


「それにわたし今そんなにお金持ってないよ(泣)」

ポリスマン
「○○ペソだ。署にくるか、ここで払うか」


「え〜!今からカボサンルーカスに行くから署には行きたくない!どっちが安いの?」

もう一度言いますが彼らは英語が話せません。

私もスペイン語がまったく話せません。

やりとりは全てカタコトの単語とジェスチャーを駆使しながら、時々スマホの翻訳を使っています。


「どっちが安いの!?」

わたしは何回もそう聞くが、何を言ってるのか全然理解してもらえず、、、

翻訳を使ってもそれも完璧な訳し方ではなく、結局どっちが安いのかの答えは得られなかった。

いつも頑張って喋るのは、おっちゃんポリスの方で、ヤングポリスはずっと後ろで笑って立ってるだけだ(笑)

20分程こんなやりとりをしたけど、言葉が通じなさすぎるせいか、私が喋るたびに二人ともだんだん面白くて笑うようになりはじめた。

おっちゃんポリス
「おまえ日本人か?どこから来た?なんでここにいるんだ?なんで一人なんだ???」

おっちゃんポリス
「よし!俺と一緒に遊びに行こうか!笑)」

ついにはエスコートのポーズをしながら冗談言って笑かしてくるから、もう罰金から話がどんどんそれていく。

そんな面白いおっちゃんポリスに私も爆笑していると、持っていたスマホをパッととりあげなにか入力しはじめた。

そして返されたスマホの画面に書かれていたスペイン語と日本語。

「問題がない行く許可された」

スクショ撮っとけば良かった!と後悔するほど面白い翻訳結果の画面を見て、わたしは二人を見上げた。


「ほんまに?!」

おっちゃんポリス
「気を付けろよ!」

若干のしょうがない感じを見せながら、ポリスマン達は笑って私を見送ってくれた。

きっと言葉が通じないせいで面倒くさくなったからだとは思うが、なんかめっちゃいい出逢いだった!

しかも学んだ!ALTOはストップだってこと!

おっちゃん!見逃してくれただけじゃなく色々経験させてくれてありがとう!

さぁ!そんなことがありましが、ゴールのカボサンルーカスはもう目前です!

どんな絶景が待ってるかなぁ。

(つづく)